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2006年12月17日 (日)

『月の裏側』読了

■恩田陸『月の裏側』

九州の水郷都市・箭納倉(やなくら)。昔ながらの掘割が縦横に張り巡らされたこの町で奇妙な連続失踪事件が起こる。消えたはずの人々は、失踪中の記憶を失ったまま戻ってくるのだ。どうやら今に始まった事件ではないようだが...

失踪して戻ってきた人々は、「盗まれ」て、人間ではない何かに変わっている。
舞台のモデル・柳川には行ったことはないが、都会人が田舎に郷愁を感じるような、懐かしさに溢れた描写。懐かしいような、寂しいような雰囲気の中、主人公達の間ではじわじわと恐怖が増殖する。これ、あくまで彼ら4人だけなんだな。町の人々は、淡々としていて、何か納得しているのだ。

未知の生命体が人々を呑みこんでいく話なのに、カタルシスがまったくありません。主人公達の関係と終わり方が、男の子のちょっとした冒険に気の強い女の子が混じってしまった感じで終わる(主人公達は大人ですが)。これは、そういう話ですね~。一人納得のいかない女の子は、しかし、女であるが故か「ひとつ」になったことを男達とは違った受け入れ方をしたように思える。突っ込み所もありますが、それはともかく、後に引く作品でした。

さ、トヨタカップ決勝だっと。

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